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しばらくぶりのウナギ突き

こんばんは、ご無沙汰しております。うなたろうです。

この週末は約2年ぶりに、Nさん、Mさん、Oさんとウナギ突きに行ってきました。場所は琵琶湖。いくら生きても産卵に参加できないかわいそうなウナギたちの集まるところです(琵琶湖とウナギ放流の記事は以前書きました。いつごろだったか思い出せませんが・・・)。現在、天然ウナギとしての取り扱い量のいくらかはこの琵琶湖産のウナギで、岐阜の市場で3割程度、築地で2割程度です(今は少し変わっているかも)

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上から私、Oさん、Nさん、Mさんの成果。最初にNさんの73センチのウナギを見たせいで長さ感覚がおかしくなりました(笑)Oさんの細い方のウナギは40そこそこのメソだと思っていましたが実際には55センチくらいある・・・。

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台風の暴風雨を身に受けながら帰宅し、早速捌きました。血によく脂が滲んでおいしそう。

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とりあえず尾三分の一を白焼きにしました。魚焼き網で55分かけて焼いてちょうどよいくらい。臀鰭の骨が少しあたりました。もう少し焼いても良かったかも。久々の天然ウナギは、脂度5の90点、今まで食べた中で20番目くらいのおいしい個体でした。個性のある風味がないのが琵琶湖産の惜しいところですが、これで明日からもがんばれそうです。
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土用丑の日

今日は土用丑の日ですね。以下の文章は昨夜、土用の丑を迎えるにあたって、ざっと書き出したものです、誤字・脱字等は見直し次第修正していきます。ちょっと前のめりですが、今出さないと多分今日中には公開できなさそうなので、大目にみていただけると幸いです。

私は基本的に、ニホンウナギの幼魚、すなわちシラスウナギは限りなく禁漁に近い状態か、あるいは禁漁にしなければいけないと考えています。
しかし、禁漁はちょっと無理だと思っているので、ある程度譲歩して以下のように考えています。

まず、コンビニ、スーパーマーケット、牛丼屋でのウナギ販売を禁止します。スーパーマーケットでのウナギ廃棄量は、その取扱量の6割にものぼります。まずこれを禁止するわけです。要するにウナギ屋と、裂いてから焼く魚屋をのぞいて、ウナギに類するものをすべて販売禁止にするということです。

次に、海外からのウナギ輸入を完全停止します。シラス、活鰻、白焼き、蒲焼きも加工品もすべてです。これは実質的に海外で資源管理を行うことは事実上不可能ですので、もう全て禁止にしてしまう他手がありません。

さて、ここからです。今、親ウナギの規制を鹿児島、宮崎で始めました。しかし私はこれは単なる子供騙しだと思っています。こんなことをしてもウナギ取り漁師が陸に上がるくらいで、百害あって一利なし。百害とは、ウナギ漁の伝統が途絶えること、そして、目くらましによって事態の解決が先延ばしにされ、さらにウナギの資源状態が悪化してしまうことにあります。この規制によってウナギ資源に与える影響は非常に低いか、ない、に近いものです。漁師の採る能力をみなさんどれだけ過信されているのでしょうかね。

まずはシラスウナギの規制です。水産庁はずっとちゃんと法整備して適切に管理してきたとか、そんなニュアンスのことをときどき言ってましたが、大嘘です。漁獲統計が機能していません。池入れ量、輸入量と漁獲統計をみると明らかに数字が合いません。ブラックウナギが沢山いるわけです。
ですので、本当は全面禁漁にしたいところですが、ちょっと譲歩して、池入れ量を養鰻各戸ごとに割り振り、それ以上は池入れさせない。シラス取りも規制をする。両側から規制をします。多分これでも不十分だと思うので、有効な罰則も必要でしょう。資源管理の観点で、まず子を保護するというのは至極当たり前のことです。

こういう我慢を、ウナギが1世代に5~10年くらいかかりますので、最低でも2世代分くらいはやってみる必要があるだろうと思います。それで丹念にデータをとる。今の水産庁は不明だからと意味不明な言い訳をして先延ばしをつづけています。理解しようという姿勢がなければ分かるものも分からないでしょうし、そもそも分からないから規制しないというのは杜撰すぎます。

もう一点、こういうことを考えています。

水産庁はじめ日本の悪人は、まだ資源状態が良好なAnguilla mozambicaやAnguilla bicolor pacificaをヨーロッパウナギ、アメリカウナギ、そしてニホンウナギの4の舞にしようと企んでいます。ウナギ科総撲滅キャンペーンです。

私は、ニホンウナギを禁漁にしたら、ウナギ屋さんが困るかもしれないと思っています。スーパーやコンビニは他で生き残れても、ウナギ屋はウナギだけですから。
なので、この禁漁期間のみ、海外から資源良好なウナギを輸入して、まさに代用ウナギとして食べます。これでなんとか食いつなぐ。それで、ニホンウナギの状況も鑑みながら、次第に輸入量を減らしていくというものです。

色々文句を言う方がおられるだろうと思いますが、じゃあ今のままでどうするおつもりでしょうか。今残っているAngullaを軒並み撲滅したら、ウナギ業界は当然すべておしまいです。後進国からの輸入ですので、ヨーロッパやアメリカよりも加速度は高いだろうと容易に想像がつきます。では海外からの批判をおそれて、輸入をしなかったら?彼らAnguillaは安泰ですが、日本の業者が軒並みつぶれます。結局すべて生き残るのは無理なのですから、上記のようなことで妥協するより仕方ありません。違いますか。

ウナギ文化論を語る人達には、もっとウナギの文化を勉強してもらいたいです。この気持ちは半ば怒りに似ています。以下、私の知る限りのことをざっと書きます。

ウナギは少なくとも縄文時代には食べる文化と獲る文化が存在していました。これは事実ですが、蒲焼ではありません。

そもそも、醤油・たまりというものが発明されたのが江戸時代ですから、少なくともそれ以降です。江戸中期以降と言われています。それまでは、串焼きとか、適当に食べられる、食べ方の少ない屑魚という地域も多かったろうと想像できます。

尾張名所図会をみますと、尾張地域(愛知県西部)の水産特産品に、シラウオやハマグリなどと混じってウナギが出てきます。だいたいその書き方からみて、高級品だったと考えられます。献上品に含まれていたこともあるようです。

明治時代の特産物を描いた巻絵にも、ウナギは出てきます。ほかにはコイ、ボラ、ナマズなど。ボラは比較的安価で庶民でも食べていたようですが、ウナギと言えば高嶺の花。私は明治以来の川魚食文化を調べまくっていますが、残念なことに低級庶民の食文化の中にウナギはないのです。
私の生まれた津島という町には、うなぎ屋さんやウナギを生業の中心とする割烹屋さんが沢山あります。人口あたり、面積あたり?とにかく非常に多いのです。これは、津島というのが商家と流通と旅の町で、お金のある人々の出入りが非常に激しかったこと、戦後ガチャマン景気で湧きに沸いていたことにその一因がありそうです。これは各店の開店年を調べればすぐに判ることです。

ですから、たしかにウナギは土用の丑に食べるというのは日本国民みな知っていても、本当にウナギを食べていたのはごく一部だったわけです。少なくとも戦前までは。
戦後ほどなくして、ウナギ養殖は非常にさかんになり、庶民でもときには手が届く存在となりました。

2000年頃にウナギの輸入が全面解禁され、安いウナギがどっと流れ込んできました。国内の養鰻業者はこれに対抗するため魚価を下げざるを得ず、これによってスーパーだけでなく、ウナギ屋でも価格破壊が起こりました。しかしこのウナギ安も長くは続かず(90年代後半にはすでに資源は危険信号だった)ウナギ資源の崩壊によって今のこの状態を引き起こしています。

エルニーニョだラニーニャだと言っていますが、これは研究の当事者が、ツイッター上でこれだけで説明できない部分が不漁にはあると言っています。だいたい、ウナギのすみかをみてみなさい。誰がウナギの住みやすい環境だと思いますか。餌の豊富な干潟域はすっかり干拓され、河川は護岸工事に堰堤ばかり。ウナギを減らすための方策をこれでもかと言わんばかりに推し進めてきたのが他ならぬ日本と日本人なのです。

文化論をたきつける人々に言いたいのは、私は昨年にも書いたとおり、零細で文句も言わず、細々とウナギ漁の技術を繋いできた漁師を虐めるなということです。彼らこそ、江戸時代、あるいはもっと以前からの漁法を伝承する、文化の生き証人なのですから。ウナギセンはアジア全域に広がる漁業文化のたまものです。ウナギ掻きの職人技、あれは一度絶えてしまったらもう二度と戻らないだろうと確信的に危惧しています。

こうして書いてきて、私はウナギ遊漁者のことを一言も書いていません。ときに、遊漁者を不当に庇っていると思われるかもしれません。たしかに庇っています、これは事実です。ですが、ウナギ釣り、ウナギ取りをしたことのある人なら誰でもわかる。成魚のウナギはそう簡単にほいほい捕れるものではありません。遊漁者による採捕量など、問題にならないものだと思っています。ですからこの規制に関しては、いまだ意見もたずという状態なのです。

謹賀新年

新年あけましておめでとうございます(なんとか松の内に間に合いました)。本年も私うなたろうおよび「天然うなぎ釣り!」をよろしくお願いいたします。

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食べ比べ

おはようございます。うなたろうです。大変長らくご無沙汰しております。

うなぎ業界のいろいろに嫌気が差しまして、このほど情報収集はしていたものの全然更新しておりませんでした。すみません。

先日、ちょっと面白いことをしてみました。
ウナギの食べ比べ。この取り組み自体はいつもやっていることなのですが、今回泥抜きウナギとそうでないウナギ(泥入りウナギ?)の食べ比べをしてみました。

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写真がこんなのしかありませんでした。・・・誰か写真もってないかなあ。右下の赤丸で囲ったものです。

条件はごく狭い河川(淡水)で採集されたウナギ(約62センチ)を、1週間泥抜きし、冷凍したものと、その後1週間後に同所で採集したウナギ(同サイズ)をただちに捌いて冷凍し、同時に解凍後、同時に焼きました。
見た目は泥抜きウナギの方がやや皮目が白っぽかったですが、肉に関してはさほど違いがあるように思いませんでした。

脂度は泥抜きが3.5で泥入りが3。10人ほどに食べ比べしてもらいましたが、臭みの差はない、両方美味しいということでした。苦労して泥抜きの手間をかけたSさん、K君には大感謝なのですが、今回の事例では泥抜きしてもしなくても大差ない、ということになりました。
私は淡水の臭みには敏感なため(実は)、両方実食しましたが、泥抜き個体にはわずかながら藻臭があるように感じました。

土用丑の日

こんばんは。うなたろうです。今日はついに土用丑の日です。
そもそも土用丑にウナギを食べるのは、旬外れで夏のウナギが売れず経営不振だったウナギ屋を助けたことが起こり(諸説あり)とされておりますので、わざわざこの日にウナギを食べる必要もないといえばないのですが、やっぱりウナギが食べたい!



先週末の土曜日は、Iさんと某川へ。慣れない釣りに分からないことも多かった、と言い訳して、詰まるところ私はぼうずだったのですが(笑)、なんと心の広いIさんがその日唯一釣れたウナギをくださいました(多謝)!たびたび言っておりますが私は釣りは下手くそです。

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非常に良いウナギです。
6月に突いたウナギのストックもありましたが、今日はせっかくのこのウナギを優先していただくことにしました。

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最近でも魚焼き網法(?)もやっていますが、あるものは使おう、と思って、いつもホンモロコを焼くのに使っている魚焼き器で焼きました。中火の遠火。

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45分ほど焼きました。写真は白焼き完成2分前のもの。追い串して随分串が増えています。これで火が少しだけ早く通ります。あとは無駄に長く焼かなくて済むので、中がふわっと残るという噂も(ほんとかなぁ)。

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少し皮が厚めの個体でしたが、美味しかったです。脂度4で味も良かった。6月20日に釣った良型ウナギが脂度は3.5とまぁまぁでしたが、かなり不味かった、というか、うまいところがなかったこともあって、非常に満足いたしました。今日ぐらいは何も考えずにウナギを食べることを楽しんでも良いでしょう。(気になるアレもあるのですが、これはまたの機会にします)
プロフィール

うなたろう

Author:うなたろう
うたとうなぎをこよなく愛するうなたろうと呼ばれています。今年はうたもうなぎも、うまーく時間をやりくりしたいものです。

(7月26日,記)日本う●ぎ協会では「天然うなぎを売ることが恥ずかしいと思う世の中」にしたいそうです。シラスウナギに全く規制せずに天然親うなぎ関係者に圧力かける彼らの厚顔無恥ぶりはもはやジョークの域ですね。

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